障害者雇用 水増し

こんにちは、千葉県市川市の社会保険労務士 渡辺 巖(いわお)です。

 

最近、役所における障害者雇用の水増しが問題となっています。一言でいえば、役所がいい加減なことをしているということに尽きます。民間会社では、100人を超える会社は毎年、障害者雇用納付金申告義務があり、本来雇用すべき人数の障害者を雇用していなかった場合、不足人数1人につき1か月あたり5万円(規模によっては4万円)を納付しなければなりません。逆に人数を超過していた場合、超過人数1人につき1か月あたり2万7千円(規模によっては2万1千円)が支給されます。

 

このようなシステムになっているため、民間会社は慎重に人数をカウントして申請書を作成・提出するわけです。例えば、1年間1人不足していた場合には、5万円×12か月=60万円が納付金となります。さらには、雇用義務を履行しない会社には行政指導もあるということになっています。金額も大きいですから、民間会社は必死です。その一方、いい加減な数字を並べて自分たちはきちんと法定雇用率を満たしているなどと言っている役所。何らかの責任を取るべきだと思います。一番迷惑しているのは民間会社ではなく、障害者の方です。雇用してもいないのに雇用していたことにしているという役所の意識に根本的な問題があります。