雇用調整助成金特例措置の延長

こんにちは、千葉県市川市の社会保険労務士 渡辺 巖(いわお)です。 

 

2月末までだった雇用調整助成金の特例措置(休業手当の100%助成(上限15,000円))が3月末までに延長されるようです(公式な発表はまだですが)。会社は、コロナの影響で会社を休みにせざるをえず、その一方で、従業員には休業手当を支払わなければならないという中、会社が従業員に支払った休業手当を、後日、国が助成金として会社に支払うというのが雇用調整助成金です。現在は、休業手当の100%を国が助成することになっていて、100%助成の期限が1か月延長されることになります。本来であれば、期限後は100%助成ではなく、90%というように助成する率が徐々に縮減されていくことになっていたのですが、緊急事態宣言が再発令されたこともあり、年度末の3月末までに延長となりました。

 

お客様の雇用調整助成金の手続きを行っていますが、今月からは例のハンコの廃止が申請書類にも反映されています(社印や認印が不要になりました)。その代わり、申請に当たっての確認事項を確認し✔を入れる欄(チェックボックス)が設けられています。これまでプリンタで印刷した書類にハンコを押していましたが、そのハンコが本当になくなったということになります。先日、役所に申請書類を提出したときに、「代表の方ですね?」「いえ、社労士です」という会話をしました。役所ではハンコがなくなってから、必ず提出者を確認をするようにしたとのことです。ハンコがないのは結構ですが、こうなると誰でも書類を作成して提出することができてしまいます。少なくとも、サイン位は入れるようにしないと、責任の所在が明確でなくなります。ハンコもサインもないということは、トラブルがあったときに、社労士が勝手に書類を作成して提出したということにもなりかねません。このあたりのことは、これから問題になっていくことのように思います。

 

さて、お客様から伺ったことですが、雇用調整助成金を知らないという会社も結構あるようです。雇用保険に加入していない方を対象にした緊急雇用安定助成金についても同様のようで。役所や社労士からしますと、これだけメディアを使ってPRしているのだからと思いがちですが、助成金を受給している同業他社の社長から話を聞いて、初めて申請することを考え始めたという社長もいるようです。意外ではありますが、それほど制度が浸透していないということになります。