熊本県産 アサリ 産地偽装

こんにちは、千葉県市川市の社会保険労務士 渡辺 巖(いわお)です。 

 

最近、熊本県産のアサリが問題になっています。中国や北朝鮮から輸入したアサリを短期間、有明海の浜辺に撒いて飼育し、これを熊本産として出荷しているとのこと。なんとこの量が、本当の熊本産の120倍に当たる量。

 

そういえば、私の地元のスーパーでも、熊本産がよく売られていました。最寄りのJR下総中山駅の近くには、小さな魚市場のような「ユーカープ」というお店(昔からある有名な鮮魚店)があって、私はいつもそのお店で貝類は買ってきます。ここでは、アサリは三重県産か千葉産、シジミは宍道湖産と値札に書いてあり、その一方でスーパーのはなぜいつも熊本産なのか、随分前から何となく不思議だなと思っていました。

 

それが偽装だったのですから、何とも言いようがありません。先日、お店では、宍道湖産のシジミは通常の330円で売られていましたが、アサリは北海道産で520円でした。これまで、アサリは大体300円前後でしたから、産地偽装の影響が出ています。

 

昨年、ジョニー・デップ主演の「MINAMATA」という映画が上映されました。熊本県の水俣病を写真を通して世界に伝えたアメリカ人カメラマン、ユージン・スミスについての映画だったようです(私は映画を観ていませんので)。たまたま読んでいた「魂を撮ろう」(文藝春秋)という本には、ユージンと水俣病のことが出てくるのですが、水俣病に対するこの国、チッソ(現在はJNC(Japan New Chisso))の対応はひどいものでした。戦後の経済成長が人の健康より優先され、明らかに工場排水が原因だと分かっても、隠蔽や違うと言い張ったり。それが、さらに被害者を増やしてしまいました。アメリカ人に撮影された水俣病の写真を通して、世界からとんでもない国だと言われないと分からないこの国。そういう意味では、熊本県の蒲島知事の熊本県産アサリ出荷の停止という対応は英断だったと思います。

 

よくあるウナギの偽装もそうですが、長年やっているからというのは理由になりません。人を騙して物を売っていることに心が痛まないことが本質的な問題のように思います。